これは重要!主要キャラ

全54巻と長い『源氏物語』ですが、内容は3つに分けられます。

各部で欠かせないキャラをここでご紹介♪

 

 

第一部

光源氏(ひかるげんじ)…主人公。 

  容姿・頭脳・教養すべてパーフェクト、しかも金持ちで高貴な男。

  物語の最初で母を亡くし、かつ皇子の身分を失うという不幸に遭うが、

  困難を乗り越えて出世、最高の地位と幸せな家庭を手に入れる。

 

  【ニックネームの由来】 光るように美しいことと、名字(氏)が「源」であることから。 

  【長所】他人に対する気くばりが細かい。女性関係に責任を持つ。

  【短所】女を捨てない→妻が増えていく、という面がある。人に対して冷たい所もある。

 

 

藤壺(ふじつぼ)…光源氏の運命の恋人。

  光源氏にとっては父の妻、つまり若いお義母さん。高貴で知的、謎めいた美人。

  【ニックネームの由来】 藤壺という名の建物に住んでいるから。

 

  【長所】美貌とか知性とか、女性の魅力の全てを持っていること。

  【短所】妙にあいまいな態度をとることがあり、他人を惑わせる。

紫(むらさき) …光源氏と生涯を共にした女性。 

  子供のとき光源氏と出会い、そのまま添い遂げた。美しく聡明、家事もオッケーな優等生妻。

  【ニックネームの由来】 藤壺の姪であり、藤の花が紫色であること、etc。

 

  【長所】長所だらけの女になるよう育てられ、実際にそうなった稀有な人。

  【短所】夫・光源氏の気を惹くよう、ほどほどに嫉妬したりする。出来すぎでイヤミな感じ。

頭中将(とうのちゅうじょう) …光源氏の親友かつライバル。

  光源氏の妻の兄弟。いとこでもある。二人がくりひろげる政治闘争は第一部の見どころ。

  【ニックネームの由来】 物語の初期、「頭中将」という官職にあったから。

 

  【長所】まっすぐな竹のように素直、人情に篤い。明るく豪放な、生まれながらの御曹司。

  【短所】短気で、見栄っぱり。感情に走って後悔するタイプ。

 

 

第二部

光源氏(ひかるげんじ)…第一部に引き続き、主人公。

  非常に高い地位を手に入れた権力者。

  既に老人(当時の観念では40歳~)であり、かつて犯した罪の報いに苦しめられる。

紫(むらさき)…第一部に引き続き、光源氏の愛妻。

  オールマイティな貴婦人。

  光源氏が新たな正妻を迎えたことから、孤独と苦悩に直面する。

女三宮(おんなさんのみや)…新たに光源氏の正妻となった皇女。

  高貴だが、子どもっぽい人。

  【ニックネームの由来】 三番目に生まれた内親王だから。

 

  【長所】素直で従順。生まれたままの心を持ち続けているような無垢な人。

  【短所】頭をつかわないので、迷惑や不幸を引き起こしていることに気づかない。

柏木(かしわぎ)…女三宮に恋する青年。

  光源氏の親友・頭中将の長男。女三宮に恋してしまい、密通事件を引き起こす。

  【ニックネームの由来】 「柏木」巻で亡くなったから、etc.

 

  【長所】誇りが高く、実力もある。自分の気持ちにウソをつかない(つけない)真摯な人。

  【短所】純粋培養のエリートなので、想定外のことが起こると対処不能になる。

第三部

薫(かおる)…第三部の主人公。

  まじめで誠実だが、暗く優柔不断。

  【ニックネームの由来】 体からいい香りが漂う、すなわち薫ることから。

 

  【長所】義理や職責を確実に果たす。金ばなれがいい。

  【短所】傷つくことを怖れるあまり、自分で自分にウソをつく傾向がある。これが全ての元凶。

匂宮(におうみや)…薫のライバル。

  明るいプレイボーイ。天然にむじゃきで罪な男。

  【ニックネームの由来】 薫に対抗心を持ち、香を多く使用している、すなわち匂うことから。

 

  【長所】他人に対する気くばりが細かい。恋をすると、とてもいちず。

  【短所】自分の欲に素直すぎて、節制がない。

大君(おおいぎみ)…薫が片思いした一番めの女性。

  没落した宮家の令嬢。まじめすぎるファザコン。 

  【ニックネームの由来】 長女だから。(当時、貴族の長女は「大君」と呼ばれた)。

 

  【長所】頭がよく、ものごとを中長期的スパンで冷静に考える。長女の責任感が強い。

  【短所】何ごとも悪い方に捉えがちな悲観論者。思い詰めて自滅するタイプ。

中君(なかのきみ)…薫が片思いした二番めの女性。

  大君の妹で匂宮の妻。女らしい人で、愛らしいエゴイスト。 

  【ニックネームの由来】 次女だから。(当時、貴族の次女は「中君」と呼ばれた)。

 

  【長所】三姉妹の中で、いちばん現実に対応できる人。明るく、知恵が回る。

  【短所】小ずるいとこがあり、自分のためなら他人を利用しちゃう面も。

浮舟(うきふね)…薫と匂宮の両方に愛された女性。

  大君・中君姉妹の身分ひくい異母妹。身分や育ちに自信がない、ひかえめな娘。 

  【ニックネームの由来】 「私はいているみたい…」という和歌を詠んだから。

 

  【長所】純真で優しく、母親思い。自分より人の意見・都合を優先する協調性の人。

  【短所】求められると拒めない気弱な面がある。箱入りすぎて、対処能力が低い。

 

 

主要キャラたちマル秘な関係♪

ライバルは、世代を超えてもライバルなんです!

 

主人公・ 光源氏 にはライバルがいます。

仲よしで、遊び仲間でもあるんですが、対抗心も感じちゃうという相手。

それが、頭中将 です。

 

光源氏と頭中将は、親戚でもあるし、幼なじみでもあるし、

しょっちゅう一緒に悪ふざけしていました。

 

が、内心では相手のファッションが気になったり、出世の度合を測ったり、…。

ついには権力バトルとなりました。

 

 

このライバル関係は物語後半、

「宇治十帖」にも、引き継がれてるんです。

 

「宇治十帖」はふたりの貴公子、匂宮 が恋のバトルをする話ですが、この

 

  薫 は、頭中将の孫 に当たり

  匂宮 は、光源氏の孫 なんです。

 

知らず知らずにお祖父ちゃんのカタキ討ちしちゃってるんでしょうか?!

 

『源氏物語』の前半では、 光源氏 が勝利をおさめたんですが、

後半では、 頭中将の孫・薫 が主人公になっており、

 

いつの間にか

攻守交替している

んです。おもしろいポイントでしょう?♪